ソルジャーの日記

平凡な学部卒サラリーマンの、平凡な人生への、平凡な考察

先日の出来事

 もしかしたら、家族や知人がこの文章を読んで、気を悪くするかもしれない。そうならないように気を付けて書くが、万一の場合はどうか許して欲しい。家族として相手が幸せになるように真剣に考えたのだから。

 

 妹は美大の2年生だ。就活の進捗はどうかと聞いてみたら、新卒でスペインに行くつもりだという。外資系企業の本社ではなく、農家としてだ。とても驚いた。

 妹は第二外国語スペイン語を選択し、良い先生に出会ったのか語学検定を受けるほど意欲的だった。また、彼女は高校時代、学年で数人の芸術系だったので、私立文系クラスに属して世界史を履修していた。スペインの歴史やそれを取り扱ったアニメが好きなようで、家族に食卓で知識を披露していた。

 

だからスペインで就職したいという。オリーブ農家として。

ラインでの報告を読んで慌てて電話をかけた。待て待て。

 

日本の大学生の新卒カードがどれほど貴重で一度きりのものかということ、

日本で手堅く就職して海外旅行で年に一度行くことも出来ること、

我々とスペイン人は肌の色が違うこと、

観光客として訪れること、非ネイティブの小作人になることは立場が全く違うこと、

美大生の採用実績がある日系企業(出版社やデザイン事務所)は採用数が少なく、新卒就職を逃すのは大きなリスクだということ。

 

 一方的にまくし立ててしまった。馬鹿とか思慮が浅いとか、そういう言葉を使ったのは一度ではない。

 彼女の大切な趣味、スペイン文化や語学、素朴な風景の中での生活の魅力は否定しないが、あまりにも手段が高リスクではないか。

 

 きっと彼女の中にもいろいろな思いがあったのだろう。自分より才能のある芸大生が大勢いること、美大生の就活は苦労があること、内気な彼女は日本で友達をつくることが苦手なこと、うちの家族は位置的にも心理的にも離散していること。

 

 それは分かっているつもりだが、高リスクに見える海外での新卒就活は自暴自棄ではないだろうか?

 私が思いとどまるように頼み込むターンが終わると、妹は言いたいことはそれだけかと言い、電話を切ってしまった。

 

 私の意見や伝え方はどのくらい正しく、どのくらい間違っていただろうか。

 彼女の選択は、どのくらい彼女自身を幸せにするだろうか。私にはコントロールできないらしいので、黙って見守るしかない。